バスジャック/三崎亜記著

今、「バスジャック」がブームである―。バスジャックが娯楽として認知されて、様式美を備えるようになった不条理な社会を描く表題作。回覧板で知らされた 謎の設備「二階扉」を設置しようと奮闘する男を描く「二階扉をつけてください」、大切な存在との別れを抒情豊かに描く「送りの夏」など、著者の才能を証明 する七つの物語。
[Amazon商品説明「BOOK」データベースより

消化不良気味の物語が多い気がします。
「二階扉をつけてください」は設定こそいいものの、状況説明が少なく、背景が分かりにくい。
それは「送りの夏」も同様で、結局アレは何だったのかと考えてしまう。
この作品は短編ではなく中編にした方が感動が大きかったかもしれない。
練り込めば長編でも感動出来る作品となるのでは?

どの作品もそんな感じで、微妙な中途半端感が漂う。
面白いだけに惜しい。

表題作「バスジャック」に至っては、序盤から結末が読めてしまうので、中盤の盛り上がりが欲しい。

個人的には「動物園」が好きでした。
多分この作品だけがきちんと背景説明がされて、作品としても完成されているのではないでしょうか。

ブラック的なショートSF風味や叙情的な物語など、好みは分かれるかもしれませんが題材的には面白いモノばかり。
この作者の他の作品を読んでいないので、もっと読んでみたくなりました。
最近の作品はもっとこなれてきているのかな?




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リアル鬼ごっこ/山田悠介著

 
西暦3000年のとある王国。
「佐藤」国王は、自分と同じ苗字の人間が多数いることに我慢がならず、
佐藤姓を減らす為のゲームを思いつく。
それは捉まれば殺されてしまう鬼ごっこ。
主人公は生き別れの妹を無事探し出し、共に生き残ることが出来るか?
一週間・一日一時間の期限付きでサバイバル鬼ごっこが幕を開ける。


などと書くと、ちょっと恰好いいかな?
あー・・・感想?
もう言われ書かれ尽くしてるしなぁ。
詳しくはアマゾンか何かの書評欄をどうぞ。

幻冬舎版文庫、つまりは改訂版ですらこの文章。
校正前はどんなだったんだ?
と、思ってしまう程度には破綻した文章。
(自費出版が始まりだから、ある程度は仕方がないにしても。)
まぁホラー作品は破綻しているのが多いのですが、
それとコレとは一線を画す。
ネタとしてはそれほど悪くないと思うし、
味付けが良ければいい作品になったかも知れない。
面白そうな(?)アイデアが良作にならない証拠作品である。
ちなみに、10ページ読む間に2回寝落ちた(笑;)

日本語がおかしい箇所が幾つもあるのは、
既に方々で指摘されている通り。
ついでに「王子」も訂正しておくべきだったね。
王様の弟は「王子」じゃないよ(苦笑)

それに、モノローグを発する人物が変わってしまうのがいただけない。
主人公は主人公で、一本筋を通すべき。
主人公目線かと思ったら、時々違う人物のモノローグが入ったりするのは、
読みにくくて仕方がない。
目線を変えるのなら、センテンスを変えて欲しい。
背景描写も雑。
素人さんが漫画を描く時に、人物の顔のアップとセリフだけで進めてしまうのに似ている。
設定も甘い。
時代背景も、人物描写も。

西暦3000年の高度機械社会で、情報収集が新聞とテレビだけなんて、有り得ない。
起きている間に対策も取らず、ただ逃げ回って殺されるだけの人達も有り得ない。
私ならネットで仲間集めたり、昼間の間にルート確保したり罠を仕掛けたりするけどな。
王様側なら、佐藤さんカウンターとか街中に設置して、
生存数のカウントダウンをして恐怖感を煽るけどな。
ヘリとか飛ばしてTVやネット中継したりしてね。
即席に考えたってこのくらい出るのだから、プロットが甘いとしか言えない。
しかもホラーって言う割にはまるで怖くない。
荒らされた家とか、殺伐とした雰囲気が伝わってこないし。
うむぅ。
人から借りた本で良かった(ぅぁ



舞城王太郎以来の衝撃的な作品であった。
うむ。
ん?結論?
まぁまぁ(ある意味)面白かったですよ。




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本気で稼ぐための「アフィリエイト」の真実とノウハウ/あびるやすみつ著

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  本書はアフィリエイト導入本ではありません。
故に、アフィリエイトを始めようと思っている人が読んでも、
内容が理解出来ない部分が多いのではないでしょうか。
その分、経験者にはよく分かる本であり、
ある程度の知識がある人には有益な本だと思います。

自分で調べるよう指南している点も好印象です。
何でもかんでも1から10まで書かないと出来ない人が多いので、
自分から調べるコトを習慣づけるのにもいいと思います。
検索ワードまでご丁寧に書かれていますので。

情報商材やリスティング広告などに焦点が当たっているせいか、
肝心のノウハウは少なめですが、
きちんと読めば得られるものはたくさんあると思います。
情報商材については、ほぼ同意見ですが、
時折「あれ?」と思う内容が混ざっていて、少し残念です。

対談の部分は個人的には要らない気がしました。
むしろ、もっと内容を掘り下げて欲しかった。
情報商材や詐欺的アフィリエイターについては書き切れていない部分もあり、
対談だけ読むと、意見が偏った印象を与えます。

面接導入には反対ですね。
人にはそれぞれ事情があります。
いかに商売とはいえ、ASP登録に面接が必要になってくると、
才能ややる気があっても出来ない人が出るのは必至ですので。
対人恐怖症やパニック障害、または遠隔地の方等々は、
間違いなく弾かれます。
web面接と言う表記もありましたが、
そうするとwebカメラなどの機材を購入しなければなりませんし、
ハードルがますます上がるコトになります。
ボトムアップを提唱するのに、ボトム部分の方を切るのは解せません。
これから上がっていく人達まで切ってしまいます。
そんな風に感じてしまいました。

また、情報商材は確かに詐欺的でありますが、
そうでないものも一緒に書かれているのも疑問です。
(情報商材はアフィリエイト用だけではない。)
ツール否定と、ツール推奨が混ざっているのにも違和感があります。

全体的には得る物が多く、いい本です。
ただ、読み手がどう感じるかは評価が分かれるところ。
ですので、全体評価は☆4つでしたが、
矛盾点などで−2とし、2つとさせて戴きました。

アフィリエイトする方にはゼヒ一読をお薦めします。
情報商材屋さんの感想も聞きたいところですね。


※たったひとつだけ稼げる情報商材のアドレスは、
ゼヒとも見て欲しいですね(笑)


桐原家の人々 (1) 恋愛遺伝学講座 /茅田砂胡著

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  高校一年の桐原眞己は悩んでいた。
他でもない三つ子の他の兄妹と、似ても似つかない容貌に。
そしてその兄弟が好きかも知れないことに。
「男同士で近親相姦なんて」と思いつつ、
視線は彼・都を追う。
同じ屋根の下で暮らしてきたのに、今更である。
そして、桐原家のドタバタ劇場が幕を開ける・・・。


あらすじを書き出すと、BL風味ですが、
ぜんぜん違う(笑)
美形の三つ子都(男)と猛(女)を持つ眞己のコンプレックス。
それに輪を掛けるように、姉の麻亜子、兄の零も繊細な美形。
自分だけが線太で濃い。
その悩める少年は、悩んで悩んで、真実を突き止めるワケなんですが。
この作者特有のややこしいねじ曲がった設定と、
それを感じさせない文章に好感が持てます。
そもそもこの作者、どこかずれていて、
どの作品も“破天荒”なキャラが出てくる。
設定がハンパじゃないから、破天荒具合もかなりずれていて、
論点すらずれていくのに、読んでいて面白いから不思議。
サブタイトルに「恋愛遺伝学講座」とあるのは、
読んでいて納得出来るものの、オチを考えると笑ってしまう。
軽いドタバタが好きで、多少のBL風味を許容出来る方には、お薦めの一冊です。
いいんです。
この作者好きだから、どれだけずれてても(笑)



みずうみ/よしもとばなな著


評価:
よしもと ばなな
新潮社
¥ 460
(2008-11-27)
 向かいの窓から語り合う。
そこから始まった、恋とは言えない関係。
複雑な家庭に育ったちひろと、複雑な過去を持つ中島くん。
それぞれの将来を見据えながら、
お互いが、お互いを思い遣り、見つめ合う、
静かな恋が始まっていく・・・。


よしもとばなな特有の文章で、繊細に心情を綴った本書は、
読者の間でも高い評価を持ちます。
けれど、反面好みが分かれるのが残念なところ。
労り合うと言うよりは、傷つけない様探り合っている感が否めなく、
二人がぶつかり合うこともなく、気ばかり遣い合い、
だらだら続く惰性の恋愛の様に、私には映りました。
辛い過去があり、それを刺激しない様に気を遣うのは当たり前ですが、
「本当の恋」と言うのであれば、一歩踏み込む場面が欲しかった。
この二人はこのまま気を遣いすぎて疲弊してしまうのではないかな?
中島くんの過去も、前振りが長い割にはそれ程衝撃的でもなく、
むしろ本人の諦観が気になってしまいます。
なので少し辛口評価にしました。
どうも私はハッキリした小説の方が好みのようです。。。


推理小説 /秦建日子著

評価:
秦 建日子
河出書房新社
¥ 620
(2005-12-21)
会社員が殺され目を抉られ、直後に女子高生が殺される。
現場に残された本の栞には、『アンフェアなのは、誰か』と印刷されていた。
連続殺人。
挑戦的な犯人像。
そして、それに挑むのは「無駄に美人」な女刑事、雪平夏見・・・。

ドラマにもなった有名な一冊。
ドラマが後半ちょっとクダグダな感があり、それでも面白かったので読んでみました。
こちらが原作で、作者ノータッチでドラマが作られているそうです。
ドラマは4話までが原作に沿っている。
だから、後半違和感があったのかと納得。
ただ、原作である本作も、主人公や周囲の人間の個性を書き切れていない印象。
事件も、もっと広がったはず。
書き方に独特の癖があるので、馴れるまで戸惑う人もいると思う。
途中まで期待して読んだので、後半のトーンダウンが惜しい。
もう少し盛り上がり、スッキリ描けたならもう一つ評価上がったかも。
続編が出るらしいが、もっと書ききれるのだろうか?
















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ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ (角川文庫)/滝本竜彦著

高校二年生の山本は、ただ怠惰に日々を過ごしていた。
怠惰に、適当に、捉え所のない日々を。
そう、彼女に出逢うまでは。
真冬にチェーンソーで襲ってくる「ヤツ」と毎夜戦う絵理ちゃんと出逢うまでは・・・。


青春小説。
一言で言ってしまうには、あまりにも破天荒で本筋を行く小説です。
捉え所のない、どう生きていいか分からず、もやもやを抱えているような世代。
しかしその生活を一変させる出来事が、「チェーンソー男」との戦いなのです。
ある日突然現れる不死身のチェーンソー男。
チェーンソー男の出現を予知し、それと戦うための力を手に入れた絵理。
その絵理と偶然出逢ってしまった山本。
彼ら二人は、それぞれの問題を抱え、それぞれの時間を生きています。
何度、心臓にナイフを打ち込んでも死なない相手と戦い続ける少女。
その少女を、毎夜出現場所まで送り届け、戦いを見守る・・・時には手助けをする少年。
それぞれ、実は心の中に重たい問題を抱えているにも拘わらず、
物語はコミカルに進んでいきます。
「まあ、そう言うコトなんだろうな」と結末が予測出来ても最後まで読んでしまうのは、
文章の軽快さと微妙な間合いの物語テンポでしょうか。
これはいい!と言う小説ではないですが、いい感じだと思います。
同作者の「NHKにようこそ!」も本棚に埋もれているはずなので、発掘して読みたいと思いました。






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りっぱな犬になる方法 (新潮文庫)/きたやまようこ著

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犬の視線でおとこのこが書いた(ような)絵本みたいな一冊。
ほのぼのと読めるのですが、所々深い気がするのは、
読み手が大人だからでしょうか?
ほとんど平仮名で書かれており、
子供と一緒に読める本です。

私はまったりしたい時に、時々本棚から出して読みます。
バイリンガル版もあるようなので、
興味がある方は、そちらも合わせてドウゾ♪

末枯れの花守り /菅浩江著

朝顔をきっかけに知り合った男女。
執着する女に男は退く。
苦悩する女の元へ現れる、時代がかった着物姿の美女二人。
姫達は、女に永遠を与えるという。
男と共に永遠を与えると。
女の決心が揺らぎ始めた時、現れる一人の青年。
「口車に乗ってはいけない。」
と・・・。

第一話「朝顔」
第二話「曼殊沙華」
第三話「寒牡丹」
第四話「山百合」
第五話「老松」

全五話の連作です。
花に囚われた人の心。
その「花心」を摘み取り永遠に移してしまう二人の姫、永世・常世。
その姫達から「花心」を守る、鬼と呼ばれる男達。
花になぞらえて、妖しげで美しい世界が広がっていきます。
正直、「朝顔」を読んだ時点ではちょっと入り込めなかったのですが、
来ぬ人をずっと待ち続ける「曼殊沙華」(曼珠沙華・・・じゃないんですよねぇ)を読んで引き込まれてしまいました。
泣いちゃったし(苦笑)
解説で夢枕獏さんが「泉鏡花の世界」と解説しているのですが、
確かに通じるモノがあります。
ただ読んでいて知らない言葉が多く、結構親の手助けを借りてしまいました。
着物のことや能のことなど。
コンプレックスを抱いて生きてきて、つい姫君達の甘言の元、花心を山百合に移されてしまった少女が主体の「山百合」。
「夏は来ぬ」の歌詞がこんなに綺麗なものとは知りませんでしたし。
(というか、歌詞自体知らなかったんですが☆)
帰らぬ人を待ち続ける老婆の「老松」で、微かに明かされる鬼の晴れやかな未来。
続きがあってもおかしくない物語。
これで終わっても不思議ではない物語。
是非とも。
鬼と呼ばれる美丈夫の、青葉時実の憂いが晴れる時を知りたい。
そんな風に思ってしまいました。
かなり癖がある文体なので、好き嫌いは出ると思いますが、
私はこの作者をもっと読みたくなりました。
SFも書かれているようなので、少し楽しみです。

宝島社文庫「そのケータイはXX(エクスクロス)で」/上甲宣之著

付き合っていた男性が二股をかけていると知って、別れてしまったしおり。
彼女は最近知り合った友人愛子の誘いに乗って、山奥の温泉へと傷心旅行に向かった。
不気味な温泉村。
薄気味悪く無愛想な村人達。
そして、旅館の部屋で鳴った他人の携帯電話。
一人部屋に戻ったしおりが出た、その電話の相手モノノベは、
その村からすぐに逃げ出せと言う。
今日は村の祭りの日で、逃げないと片手片足を切り落とされて生神にされるのだと。
迷うしおり。戻ってこない愛子。
停電してしまう旅館と、部屋の鍵をこじ開けようとする旅館の人々。
果たして彼女は無事、脱出出来るのだろうか・・・・・・。


と、このような物語です。
起転転転転結、と言った感じでしょうか。
とにかくテンポがいい。
くどい文章があったり、説明不足の点が多かったりしますが、
どんどん「誰を信じていいのかわからない」風に読者を追いつめていくのは巧妙です。
ケータイの機能の記述は、刊行された年度を考慮に入れると仕方ないですが、
他の点は、よく機能を駆使していると思いました。
ただ、やっぱりMAはどうしてわかったんだよ、とか、
普通そのモードならSLするだろうとか、
なんで初めからBにしないんだよとか、ツッコミ処は満載ですが(笑)
物語の半分から、愛子モードなのも面白かったですね。
しかし、ジェイソンもどきが出てくるとは。
執念って、怖いw
土着のドロドロした風習と、ケータイのマッチ感も雰囲気作りにはいい感じでしたし、
それぞれのキャラも立っている。
ミステリと言うよりは、サスペンスに近いですが、最近の「ホラー」的えげつないミステリではないところも、安心して読めて、人にも勧められます(笑)
春先の物語ですが、夏に向けて読むにはお薦めの一冊でした。



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