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  • 2016.10.11 Tuesday
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アリス―Alice in the right hemisphere/中井拓志著

1995年八月の『瞭命館』にて、60名を越す人間が意識障害を起こすと言う事故が発生した。
ある者は朦朧とし、またある者は痙攣を起こし。
現場にまともな神経を持って立つ者は一人もいない程の事件でありながら、当該「事故」は原因不明のまま、歳月に埋もれていった。
それから七年後の夏。
『瞭命館パニック』を引き起こした張本人。
氷室アリス。
「右半球の化け物」と呼ばれる美少女は、再び眠りから醒めようとしていた。
その覚醒が、あらゆる人間を破滅に導く・・・・・・。


この作品、ホラー小説と言うよりは、パニック小説の趣が強い。
謎解きのないミステリと言ってもいい。
微笑むだけで、声を出すだけで、人を破滅に導く美少女。
それは、よくある形容ではなく、化学的に説明された魔性。
よくある感情的な表現ではない、細かく、細かく、検証されたストーリー。
読み手によってはただの、パニック小説だろう。
ただ、深く突き詰めて考えていくと、それはとんでもない恐怖である。
ある日突然、高次元の世界に、孤独と共に落とされる。
自己の崩壊。
人は、自分の感情や経験則、人間関係などで自己を確立しているのだ。
それが一瞬で吹き飛ばされる。
およそ「現次元」では生活出来ない美少女の、行為によって。
9.7次元のアリス。
過去の事件と、現在進行の事件がオーバーラップし、
関係者や街の住民、政府機関等々、全てを巻き込んで物語は進行していく。
1次元に存在する私たちには理解できない世界に棲む、ただ一人の少女を中心に巻き起こる惨事。
深く深く潜り込んで読むも良し、ただパニック小説として楽しむも良し。
ホラーにありがちな、グロテスクな描写はないので、
ホラー小説やスプラッタが苦手な方にもお勧めな一冊です。
私はこの作品で、著者のファンになりました。

ただ、ホラーとして読むと、役不足。
それを期待する人には向かないと思います。
専門用語の羅列なども、それ程ないので、難解な専門的な物語を好む方にも役不足かもしれませんね。
あと、「行間を読むのが苦手な方」にも向かないかな?
淡々と進む物語の中、自分の想像力で、登場人物の心理を埋めなければいけません。
ただし、それが出来ると、とても緊迫感が伝わってくるのですが。

アリス―Alice in the right hemisphere
アリス―Alice in the right hemisphere
中井 拓志

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