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  • 2016.10.11 Tuesday
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末枯れの花守り /菅浩江著

朝顔をきっかけに知り合った男女。
執着する女に男は退く。
苦悩する女の元へ現れる、時代がかった着物姿の美女二人。
姫達は、女に永遠を与えるという。
男と共に永遠を与えると。
女の決心が揺らぎ始めた時、現れる一人の青年。
「口車に乗ってはいけない。」
と・・・。

第一話「朝顔」
第二話「曼殊沙華」
第三話「寒牡丹」
第四話「山百合」
第五話「老松」

全五話の連作です。
花に囚われた人の心。
その「花心」を摘み取り永遠に移してしまう二人の姫、永世・常世。
その姫達から「花心」を守る、鬼と呼ばれる男達。
花になぞらえて、妖しげで美しい世界が広がっていきます。
正直、「朝顔」を読んだ時点ではちょっと入り込めなかったのですが、
来ぬ人をずっと待ち続ける「曼殊沙華」(曼珠沙華・・・じゃないんですよねぇ)を読んで引き込まれてしまいました。
泣いちゃったし(苦笑)
解説で夢枕獏さんが「泉鏡花の世界」と解説しているのですが、
確かに通じるモノがあります。
ただ読んでいて知らない言葉が多く、結構親の手助けを借りてしまいました。
着物のことや能のことなど。
コンプレックスを抱いて生きてきて、つい姫君達の甘言の元、花心を山百合に移されてしまった少女が主体の「山百合」。
「夏は来ぬ」の歌詞がこんなに綺麗なものとは知りませんでしたし。
(というか、歌詞自体知らなかったんですが☆)
帰らぬ人を待ち続ける老婆の「老松」で、微かに明かされる鬼の晴れやかな未来。
続きがあってもおかしくない物語。
これで終わっても不思議ではない物語。
是非とも。
鬼と呼ばれる美丈夫の、青葉時実の憂いが晴れる時を知りたい。
そんな風に思ってしまいました。
かなり癖がある文体なので、好き嫌いは出ると思いますが、
私はこの作者をもっと読みたくなりました。
SFも書かれているようなので、少し楽しみです。

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