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  • 2016.10.11 Tuesday
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四〇一二号室/真梨幸子著

評価:
真梨 幸子
幻冬舎
¥ 1,470
(2012-10-12)

タワーマンションの最上階、四〇一二号室が心理的瑕疵物件になった理由。
不動産屋が語る、その理由。
二人の女流小説家の確執と、生き様。そして事件。
彼女たちがどう考え、何を求めていたのか。
四〇一二号室に関係するその物語・・・。


物語は、不動産屋が四〇一二号室を見に来た客への説明から始まります。
そして、光が当たる新人の売れっ子女流小説家の物語へ。
次に、影となる売れない女流小説家の話へ。
売れっ子小説家の事件が中心になっていき、
もう一人の女流小説家、或いは編集者、
売れない漫画家、ライター上がりのノンフィクション作家と、
様々な人々を介し、四〇一二号室が心理的瑕疵物件となった経緯を語っていきます。

心理的瑕疵物件とは、死者が出た、幽霊が出るなどの類の“いわく付き物件“のこと。
包み隠さず話すと言う、不動産屋の言動に、
初めから不信感を植えられていく手法は、悪くないと思います。
何となく、不気味な感じがするんですよね。

感想としては、まあまあ面白かった。



華々しくデビューをし、上り詰めていく新人小説家三芳珠美。
どんどん本は売れていき、順風満帆に見えるかのような彼女の、
真の望みは別の場所に。
それが、実は物語のキーになるのですが、
そうと気付かないように仕掛けていく筆致は見事。
文章も、読みにくくありません。
難を言えば、視点と言うか、一人称の人物が変わっていくため、
これは誰の語りなのか?と思う点が多々あり、
その時点で読む速度が止まってしまうことが残念。
狙ってやっていると思うのですが、
切り替えが分かりにくいため、どうしてもスムーズに読めないんです。
一応・・・区切りはあるのですが、
区切りがあるからと言って、視点の人物が変わるとも限らないので、
余計に判断に困ってしまいました。
彼女の影となり物語を継いで担っていく、もう一人の小説家根岸桜子。
桜子は、いつも珠美に苛ついており、劣等感で内面を炙られ続ける。
物語の登場人物を繋げる人物、雑誌編集者の西岡。

難しくはないけれど、込み入った話が好きな方にお勧めです。
最後一行の「問い」は、個人的には好きだけどね。

最後に。
読み始めたら、本のカバーは見ないこと。
表紙がネタバレになっている(^_^;)
気付いてしまった私は・・・orz
これ、もう少し気遣って欲しかったなぁ。





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