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  • 2016.10.11 Tuesday
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異常快楽殺人/平山夢明著

誘い込んだ女性を“解体”し、“加工”する男。
或いは、小児病院で慰安の為道化を演じる反面、誘い込んだ少年を拷問した挙げ句床下に埋めていった男。
また或いは淫売な母親に育てられ、まともな暮らしすらも与えられず、様々な過程で人を殺す楽しみを知った男。


この本はそんな男達、“連続殺人犯”達のノンフィクション・ストーリィです。
連続殺人者と言ってもその人数は3人や4人程度ではすまない。
少なくても十数人、多い者は400人と言った有様で、その記述は、気の弱い正常な人間ならば吐き気を催すほど。
誘拐、強姦、果てに行き着くのは人食。それらは腐敗した肉片ですら自らの中に取り込むのだ。

・・・前に読んだ本と類似タイトルなのは偶然ではなく、前のは間違って買ったのでした。
読みたかったのはこっち。
何度も言うようですが、別にスプラッタ趣味などはないのだけど、一応精神に異常をきたすことなく読み終えましたが、・・・やっぱり後味は悪いし夢見は悪い。
犯罪者の心理は複雑怪奇で、特にこういった歪んだ欲望を持つ異常者達は複雑でひねまくった心理状態から一転単純明快な犯罪へと突っ走ってしまう。

カルト教団の教祖がそうだとは言わないけど、集団個人に拘わらず、人間の心を曲げてしまうのは人間であることをこの本は教えてくれます。
でも絶対薦めない、この本。
とにかく描写がグロテスクなのよ。そう言うのに耐えられ、関心がある方だけどうぞ。
暫く鬱屈した感情から抜け出せなくても保証はしませんのであしからず。


異常快楽殺人
異常快楽殺人
平山 夢明

異常快楽殺人者/和田はつ子著

住宅街で主婦だけを狙う連続殺人が発生していた。
被害者は主婦や老女で、皆全裸のまま絞殺されていた。性的暴行の跡は無し。
そして犯人はその家にあった物で何かを染めていた。
桜はアイシャドーで青く、トマトやピーマンはラッカーで茶色に、被害者の唇はマニキュアで青く・・・と言った風に。
そして犯人は更に十四年前に起きた疑冤罪事件、島尾事件を示唆する。
その疑冤罪事件を巡って法医学教室を追われた男、鑑定書を出した法医学者の姪、たたきあげの担当刑事、それぞれがそれぞれの思惑をもって交差していく。


私は決して猟奇やスプラッタやオカルトや異常者が好きなわけでも本人がそうなわけでもないけれど、物語の前半で引き込まれて最後まで引っ張られてしまいました。
犯人を追っていく過程や、これまでの確執、世の中の異常性・・・そんなことをあれこれ考えているうちに読み終わった。そんな感じです。
なーんとなく犯人の気持ちも分からないでもない気がするし。
(いや、だから決して私が[そう]と言ってるんじゃなくて --;;;)
この本は面白かったです。
この作者の小説、もう少し読んでみるかな?


異常快楽殺人者―若き法医鑑定人の事件簿
異常快楽殺人者―若き法医鑑定人の事件簿
和田 はつ子

狗神/坂東眞砂子著

高知の山岳部の村落、尾峰に棲む坊之宮美希は四十歳を越える今日の日まで静かに暮らしていた。
結婚もせず、尾峰から出ていくこともせず、静かに紙を漉く日々。
春のうららかさと共に一人の青年が村にやって来たことから、彼女の生活は一変する。
隣村の池野中学校に赴任してきたというその青年教師、奴田原晃に惹かれる美希。
晃もまた、彼女に惹かれていく。
だが尾峰には、彼がやって来た頃から不可解な現象が起こり始めていた。
眠れぬ闇の中の夜。
悪夢の続く日々。
人々は、不安に呵まれながら不吉な寝不足の日々を過ごしていた。
そして、二人が結ばれた頃から、悪夢は一層深くなっていく。
悪夢は現実となり、〈狗神〉に取り憑かれた人間が出たことにより、坊之宮家は村人から閉め出されていく。
「坊之宮さんくは狗神筋やき・・・。」
狗神を祀る坊之宮家と尾峰の人々の確執が表立ってくる。
そして、人々の誹謗中傷が渦巻く中、先祖祭りが始まる・・・・・。


「普通の人と同じように、普通に幸せになりたかっただけなのに・・・!」
主人公美希の、そんな心の叫びが前編通して聞こえてきそうな、哀しい物語です。
若い頃の恋の過ちを引きずり、年を重ねてきた女と、世間と噛み合わなくても何とか更正してきた晃。
初めから、どうしようもない運命に翻弄され、結局運命に従うしかなかった二人。
人々の悪意がさらにそれを助長する。
〈極楽のお錠前〉に触りたかったと泣く女。
最期まで思うように生きられなかった女。
息が詰まりそうなくらい、哀しい物語です。
『死国』の時も思ったけど、この作者が描くのは、民間伝承をベースにホラー仕立てで読ませてますが、基本テーマは【何が幸せなのか?】じゃないかなぁ。
それにしても哀しい。
少し、【自分にとっての幸せ】を考えてみる気になってしまいました。
良い物語ですよ。
・・・ラスト、後味悪いのはホラーだから仕方ないけどね。
映画化していますが、観たけど、出来が良くない。
本を読んだのなら、あの感動をムダにしないため、映画は観ない方がいいでしょう。


狗神
狗神
坂東 真砂子

OUT/桐野夏生著

弁当工場の夜勤パートに出る主婦達。
きついパートに耐えて勤めているのにはそれぞれの理由がある。
膨らんでしまった借金の利息を払い続けるため、或いは給料を家庭に入れない亭主の代わりに家計を助けるため。
そしてある日、彼女達の一人が殺人を犯してしまう。
相談を受け、その死体をバラバラにして捨ててしまう仲間達。
一つの事件が、水面に落とした小石の波紋のように、様々な展開を産んでいく。
何故、彼女達は死体遺棄を手伝ったのか。そして、彼女達を待ち受けるそれぞれの運命とは・・・。


この小説、映画化しましたねぇ・・・。
最初、バラバラにしているシーンで、読みながら寝ちゃったので、夢見が悪くて(^.^;)
こりゃ、いかん。
と、取り敢えずバラバラシーンだけは読み終わろうとして、読み続けて、最後まで行っちゃいました。
うげ。

つまり。バラバラ事件は最後まで引っ張る・・・と言うか、まだ出てくると言うか・・・うげげ。
ただね、かなり内容が濃いの、この小説。
文章を長く引っ張る作家が書いたら、間違いなくもう一冊は行ってしまうほど、詰まった中身なのよね。
いや、面白かったけど。うん。
うげげげ、な記述が平気な方にお勧めです。
ラストがちょっと、私好みではなかったですが☆

しかし。
映画、どうだったんだろうねぇ☆
怖くて観れませんよ、コレ(汗;)



OUT 上  講談社文庫 き 32-3
OUT 上 講談社文庫 き 32-3
桐野 夏生

OUT 下  講談社文庫 き 32-4
OUT 下 講談社文庫 き 32-4
桐野 夏生

どすこい(仮)/京極夏彦著

元禄十五年十二月十四日深夜−。
地響きで目を覚ました宇兵衛は目撃する。
ちらちらと白いものが舞うなか、江戸の大通りを行進する男達を。
それらは皆、異様な出で立ちであった。
皆、裸形であった。
付けているものはマワシ、それだけ。
行司込み、四十八人の異形の群は歩調を合わせ、吉良邸を一路、目指していたのであった・・・。

【四十七人の力士】以下、【パラサイト・デブ】【すべてがデブになる】他、七作の連作短編集です。

あー・・・この本を表現する言葉はないです。
ええ、まったく。
読んで、笑って、また読んで。「なにぃ〜!?」とか言ったりして。
それしかないし。
パロディ本にしたって、一冊丸ごとのテーマは【肥満】或いは【デブ】はたまた【おすもうさん】だもの。
感想も何もあったもんじゃない。
結末は“ループ”だしぃ。
ただ、読んで笑う。その為だけの本かも知れない。
元ネタの厳格なるファンの方は、読まない方がいいと思うし。
知ってた方が面白いのは確実だけどねぇ。
文章の上手な人間が、ワザと無駄な文章を垂れ流しているという、困った本です。
その文章にまた笑っちゃうんだけどね。
う〜む・・・。
無意味に笑いたい時、暇を潰したい時、鬱屈したものが溜まっている時にお薦めします。ええ
新書、文庫とありますが、ハードカバーのが一番お勧めですw



どすこい(仮)
どすこい(仮)
京極 夏彦

黄泉びと知らず/梶尾真治著

死者が戻ってくる「黄泉がえり」現象。
逆に戻ってこない側の人間を「黄泉びと知らず」という・・・・。
「黄泉がえり」アナザーストーリーを含む短編集です。

「サラマンダー殲滅」や「黄泉がえり」で梶尾真治を知った方には、ビックリかガッカリかの一冊でしょう。
元々梶尾真治は「次代の星新一」と言われた短編の名手です。
その作風は多岐に渡る。
感動巨編だけを求めるのは間違い。
彼は砕けきった物語も、人を喰ったようなストーリーも大得意です。
この一冊が気に入らなければ、感動物だけを選んで読む方が利口。
この一冊がお気に召しましたなら。
是非、カジシンワールドへと足を踏み入れて下さい。
きっとそこには、珠玉の作品群が待っていることでしょう。

でもこの本、結構他の本にも収録されている物語の寄せ集めだったりします。


黄泉びと知らず
黄泉びと知らず
梶尾 真治

黄泉がえり/梶尾真治著

五月、熊本。
金峰山に巨大な光の玉が降りていくのを見たという目撃情報、多数。
五月、熊本。
地震。
そして五月、熊本。
死者が戻ってきたので、戸籍を戻す方法を問い合わせる電話が市民センターにかかる。
あちらこちらで起こる、死者のよみがえり事件。
生者も死者も行政も大混乱をきたし、展開していく物語。
行政は、「黄泉がえり」の人々への対応に混乱し。
生者は時間を逆行し。
死者は新たなる悩みを得る。
何故彼らは、蘇ったのか。
彼らの居場所はあるのだろうか・・・・・。

これまでの路線をくずさず、更に新境地を開拓したかのような梶尾真治。
いつもの事ながら、人間を描く深い愛慕に感動します。
人は死者を思い出としてしか残していく事ができない。
それを逆手に取ったテーマは、最後まで読者を引っ張っていきます。
すべてを解決させないのは、「死」が不確かな存在だから。
彼独特の優しさで綴られる物語は、やはりラストで泣かされてしまうのです。
梶尾真治と「思い出」というテーマ。
切り離せないのだと、確信した一冊です。
SFやホラーが苦手な方でも読める良書です。
ぜひご一読を。
(映画とは一緒にしない方がいいですよっ☆)



黄泉がえり
黄泉がえり
梶尾 真治

サラマンダー殲滅/梶尾真治著

ノンストップエンターテーメントと言う言葉がある。“巻を置くに能わず”と言い換えてもいい。
つまり、本“巻”を置く間がないほど面白いと言う事だ。
この小説は、まさにそれ。

平凡な一介の主婦、神鷹静香。
彼女は“ヤポリス・サースディ”というテロリストたちが起こした事件によって、夫と娘を同時に亡くし、自身も心神喪失状態となった。
彼女の状態を悲観した彼女の父は、娘に特殊な感情を植え付けることで、その意識を取り戻させた。
それは、原因となった事件を起こしたテロリスト達『汎銀河聖解放戦線』に対する憎しみであった。
憎しみで行動を起こさぬよう、彼女を守るための、対抗措置もとられた。
彼女が『汎銀戦』に危害を加えようと行動を起こすならば、本人の意思とは全く関係なくその身体の右手と両足が麻痺するという措置。
しかし、彼女は決意する。『汎銀戦』への復讐を。
そして、壮絶な復讐劇が幕を上げるのであった。

と、こんな感じなのですが、これは本当に読まないとわからない。
第12回日本SF大賞受賞作だけはあります。
梶尾真治特有の世界が構築されつつ、その範囲はどんどん広がっていく。
まあ、私は著者のファンで、どんな物でも読むのではありますが、これは格別。
『美亜に贈る真珠』の著者を想像したら度肝を抜かれます。
SF作家ではあっても、人間の心理を鋭く深く追求する梶尾ワールドは同じなのですが、とにかく、凄まじい物語が大量に展開されていくのです。
SF小説好きなら是非読むべし。ラストがまた、泣けるのよねー・・・。


梶尾真治を読むのなら、行間を読まないとだめですよ。
この作品を境に、少し傾向が変わりましたよね。
長編志向というか、本格派へと言うか。
これがあるからこそ、作風が『黄泉がえり』に繋がるのかも知れません。



サラマンダー殲滅(上)
サラマンダー殲滅(上)
梶尾 真治

サラマンダー殲滅(下)
サラマンダー殲滅(下)
梶尾 真治


あなたに似た人/ロアルド=ダール著

所有しているワインの貯蔵所が自慢の男と、ワインききの美食家の対決『味』。
自分の身体を賭けて、ギャンブルをする『南から来た男』。
高名な画家が若い頃に描いた背中の絵を後生大事に持っている男と、それを買い取ろうとする人間達の『皮膚』。

等々、15の珠玉の短編が納められています。
まあ、随分前に読んだ本なのだけど、ちょっと思い出したので読んでみました。
好きだったんですよ、この本。
ブラックも、ミステリも、ギャンブルもある。
ちょっと変わった物語を読みたい時にうってつけ。

自分を嗤った女に復讐する、自分を捨てた亭主を殴りつける、小説界を乗っ取ってみる、賭けに当たるようにタイミングを作ってみる・・・すべて日常に起こりうる空想。
あなたも私も、この中の誰かに似ていたりしませんか?


あなたに似た人
あなたに似た人
ロアルド・ダール, 田村 隆一, Roald Dahl

エスケープ! / 窪依 凛著

誰にも愛情を持つことのない少年と、その少年を慕い続ける幼なじみで盲目の少女。
ふとしたきっかけで少年に嫌われたと思い込んだ少女は、
霊柩列車への誘いにのってしまう。
そこで行われる狂気に満ちた殺人ショーの舞台に上がらされるとも知らずに・・・。

と、こんな小説です。文章のテンポがよいため一気読みできます。
怖いわっ!スプラッタです。かなりエグイです!
苦手な人は、決して読んではいけません。
スプラッタテイストの青春小説ですので、お好きな方にはお勧めの逸品(爆)
最後の簡単なアナグラムが分からない人は(いないだろうけど)ラストちょっと辛いかな?
お食事中は読まない方がいい、青春小説です(ぉ



エスケープ!
エスケープ!
窪依 凛

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