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  • 2016.10.11 Tuesday
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帝都探偵物語〈1〉人造生命の秘密/赤城毅著

時は大正。
大震災の少し後。
復活を遂げた帝都大東京に居を構えた、洋行帰りの探偵一人。
助手の美少年と、美女の秘書と共に、難事件を解決していく。
ただし、彼の元にやってくるのは怪奇事件ばかり。
浮気調査でも何でもいいから、普通の仕事がしたいと願う探偵の思い虚しく。
今日も少女が持ってきた事件は・・・
夜な夜な墓を暴き、死臭漂う実験室に引きこもり、研究を続ける父親の行状を調べて欲しいという依頼だった。
初めは尻込みしていた探偵も、事態が進むうち、嫌が上でも積極的に動かざるを得なくなった。
ただし、事件は彼が危惧していたとおり、怪異事件になりつつあったが。。。。


まず。
この作品は推理小説ではありません。
娯楽小説として読むのが正しいかと思います。
人工生命やら、フランケンシュタインやら、屍体やら、出てきますが、
上手くはないけれど軽妙な筆致で、すらすら読ませてくれます。
そしてまた、キャラクターが立っている。
一巻目にしてキャラが成立しているので、読んでいて安定がいいです。
そして、面白い!
(↑これが肝心ですが☆)
他の作品も読みましたが、どうもこの作者は、この時代を扱うのがとても上手です。
雰囲気がいい。
人情味もあるし、きちんと筋立ても整っている。
憎めない、ひとなつっこい笑顔の探偵と、やさぐれ者上がりの美少年の助手、そして
大財閥のお嬢様秘書と、古典的な作りでありながら読ませてくれるのは、
この作者ならではの筆致だと思います。
眉間に皺を寄せて解き進む推理小説もいいけれど。
時にはこんな軽快な物語もいいのではないでしょうか?


帝都探偵物語〈1〉人造生命の秘密
帝都探偵物語〈1〉人造生命の秘密
赤城 毅

マリア―ブランデンブルクの真珠/榛名しおり著

17世紀半ば。
神聖ローマ帝国衰退の時、現在のドイツ地方は、戦いの中300余の独立国家が散在していた。
フランスは太陽王ルイ14世の時代、欧州は激動の時を迎えている。
そんな時代。
ブランデンブルグの選帝候フリードリヒは、豊かなハルバーシュタット公国に攻め込んだ。
名宰相クレプトはこれをよく凌いだが、ついに公国は陥ちてしまう。
クレプトが捕らわれたその日、娘のマリアは公女と偽り、フリードリヒの寝所へ送られることになった。
鍛え抜かれた肢体と一本の短剣を携えて・・・・・・。


第3回ホワイトハート大賞佳作受賞作であり、著者のデビュー作。
マリアという14歳の娘は、父親を処刑され、敵国の将の子供を宿し、想いを寄せる母国の王子にその子を暴行の末流され、父の意向を辿るうち、ついには神聖ローマ帝国の皇帝を選び出す「金印勅書」を手にした。
その金印を持つ少女を巡って、ハルバーシュタット側とブランデンブルグ側の策謀が渦を巻く。
激動の時代が、一人の少女とエルベの美しい景色と共に綴られていきます。
この作品、どうして大賞じゃなかったのかが不思議なぐらい。
後半ちょっとたたんでますが、新人にしては、出来すぎています。
読後感もハッピーエンドでいい感じ。
F文庫で再販もされたようですが、私は少女漫画チックなX文庫版が好きです。
作風とも合っているし。
著者の作品はほとんど読んでいますが、やはり、このデビュー作が一番好きかな。
この作品に出逢ったお陰で、後々ドイツ系の作品に触れることになった私は、感謝するしかない一冊なのです((^┰^))ゞ
物語は、後にこのハルバーシュタットが、金印を手にすることになった元の経緯を書いた、別作品もあります。
ロマンチックな気分になにれる一冊のご紹介でしたw


後宮小説/酒見賢一著

評価:
酒見 賢一
新潮社
¥ 500
(1993-04)
時は腹英三十四年。
時の帝王が急死したことにより、次帝の為に新たなる後宮編成が行われることとなった。
地方の田舎に住む好奇心旺盛な娘の銀河は、
何故か宮女狩りに来た宦官に連れられ、後宮に入るべく都を目指すのであった。
都の作法などかけらもない銀河が、何も知らない房中術を学ぶ安穏としたような日々。
しかし新帝を抱く素乾国は脆く、また新帝も若く、
外的と内部の奸臣により、亡国の危機にさらされているのだった。


「腹上死であった、と記載されている。」
と、ふざけたような書き出しから始まるこの小説。
第一回ファンタジーノベル大賞受賞作です。
中国を模した舞台が、まるっきりの創作であることにも驚きますが、
主人公の銀河を始め、登場人物の個性的なことと、
史書を紐解いたような淡々とした語り口が面白く、
つい先を読んでしまいます。
この感想を書くにあたり、読み返したのですが、
以前読んだときよりも、随分すんなり読めるようになっていたのは、
・・・私が大人になったからでしょうか(爆)
コミカルな展開ながら、案外純愛ものかもしれません。
酒見賢一氏のデビュー作。
力作をこの後より送り出されていますが、
この作者の一押しは、やっぱりこれかもしれません。

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