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  • 2016.10.11 Tuesday
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海に沈んだ町/三崎亜記著

評価:
三崎 亜記,白石 ちえこ
朝日新聞出版
¥ 1,575
(2011-01)

廃園した遊園地跡に出来た住宅街に住む人々が見る遊園地の夢。
夢の中で見かけた人と、現実に出会う・・・。
海が来て、沈んでしまった町を訪れる人。
港へとやって来た団地船を見に訪れた男性の、ほろ苦い思い出と現実・・・。
著者の不思議な世界が綴られていく短編集です。

この、不思議な世界が病みつきになりそうです。
読み手によって好き嫌いがかなり出ると思います。
そして、作品によっても好き嫌いが出そうです。
『橋』などは消化不良で結局どうなったのか分かりにくかったですし、
『ペア』もラストが分かりにくい。
それでも、この奇妙な世界観は独特の雰囲気を持って圧倒し、
読み手を引き込んでしまうから不思議です。

個人的には『四時八分』や『彼の影』が好きでした。
ハッピーエンドが少なく、そのハッピーエンドもはっきり描かない作品が多いのですが、
読後感が幸せになりそうなのはいいですね。

この本は、白石ちえこさんの写真とコラボしてあるので、
所々に差し込まれる写真がイメージを随分左右します。
こちらも、読み飛ばさずに堪能するといいと思います。

サクサク読めるので、少し時間が空いた時に読むのがお薦めです。


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ヒトリシズカ/誉田哲也著

アパートの一室で射殺された暴力団組員の男。
事件自体は解決したものの、浮かび上がる一人の少女の影。
全く違う時系列で起こった、暴走族あがりの青年の刺殺事件。
そこにも浮かび上がる少女の影。
様々な事件が、まるで違う時系列で起こり、
そこには必ず一人の少女の姿が見え隠れしている・・・。


この作品はオムニバス形式のように、様々な短編が一つになっていく物語です。
読み進めるに従って、どんどんと引き込まれ、静加がどう絡んでいるのか、気になって仕方がなくなります。
自分であまり手を汚さない風でありながら、自分で手を下している節もある静加。
その辺りの心情や、考え方の一貫性がないのが余計に気になって、読んでしまう。

惜しむらくは、そのまとめ方。
一旦静加側からの描写があれば、少しは納得したのかもしれませんが、
結局それはほとんどなく、最終話でぱっと手を放されてしまったような感がいただけません。
途中が面白かっただけに残念。
最終話とその前の間にもう一話、欲しかった。

あと、ネタバレになりますが、
探偵さんの所在は最期、ハッキリしてあげて欲しかったと思います。
「いつもんとこに」ってあるから、てっきり他の事件も出てくると思っていただけに、
物語が回収し切れてない気分が大きいです。

トータル的には面白かったんですけどね。

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アクセス/誉田哲也著

登録すると携帯電話とインターネットが無料になる。
そんなサイトに誘われ登録した可奈子。
誰か一人を紹介すると、無料になると言う。
可奈子は従姉妹の雪乃を誘い、雪乃は友人の翔矢を誘った。
翔矢はクラスメイトの喜多川を・・・。
可奈子のクラスメイトの死をきっかけに、かかり始める怪しげな着信。
そして身近に起こる殺人事件。
現場に残された喜多川の指。
甘酸っぱい高校生活は恐怖に彩られていく・・・。


第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。
ホラー程怖くはなく、猟奇的なサスペンスに近い。
雪乃の語りから始まった物語なのに、雪乃は主人公ではなく可奈子。
雪乃はむしろサブキャラ扱いなのが、個性的なキャラだけにもったいない。
翔矢と雪乃の物語をもう少し詰めて欲しかった。
特に翔矢の扱いは(最期が特に)酷すぎる。
後半がもっと丁寧な描写であれば、入り込めた気がします。

黒い部分は、今の人達なら普通にドラッグする気がします。
あと、ソースを見たなら読めるハズなんですけど(笑)
一体何と書いてあったんでしょうね。
テレホ時代くらい前の物語だと念頭に置いて読んだ方がいいです。
ちなみに2mb.netアドは現時点で、現実だと売りに出てるようです。
ちょっと期待してしまったw

続編は難しいかな?
喜多川が行方不明なままなのが気にかかります。
あと突然消えた本当の丸山君と、丸山君の体の行方。
彼の精神は青竜刀になったと解釈すればいいのでしょうか?
丸山君が誰から2mb.netの存在を聞いたのかも謎のまま。
もう少しスッキリ広げた風呂敷が畳めてれば良かったと思います。

全体的には面白かったです。
昔「スナッチャー」ってゲームがあったんですが、
それを思い出しました。
あちらはSFですが(笑)



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