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禁断のパンダ/拓未 司著
- 2013.04.28 Sunday
- 拓未司
- 19:46
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- by mako
妻の友人の結婚式に参列した理由は、パリの三つ星レストランを凌ぐ程美味な料理を提供するレストラン併設の教会だったためだ。
幸太はそこで伝説の料理評論家ゴッド・中島と出会う。
中島は新郎の祖父であった。
式の最中に新郎の父親が失踪してしまう。
そして後日、新郎木下の父親が経営する運輸会社の社員が他殺体で発見される。
殺された従業員と失踪した社長。
料理を巡る陰謀が静かに幕を開ける・・・。
この作品は、第6回「このミステリーがすごい!」大賞受賞です。
う〜ん・・・。
他の書評を見てもほぼ同意見なんですが、
元フレンチのシェフが書いた作品であるだけに、料理の記述パートはいい感じです。
しかしミステリーとしてはどうかな?
「パンダ」と言うキーワードに引っかかって読み始めた私としては、
「イヤミス」のジャンルに入ってしまうこの作品は微妙。
イヤミス自体は好きなんですけどね。
導入部は読みにくかったです。
中盤サクサク読めるのですが、その頃には大筋が読めてしまっているので、
真相に向かって進むだけで、謎解き要素は殆どありません。
個人的には柴山夫妻の絆がもっと描かれていれば、終盤のピンチに盛り上がったのではないかと思います。
また、神父のイメージをもっと固定すれば、ミスリードも活きたかな?
記述が浅いので、神父やゴッド・中島の不気味さが伝わっては来なかったですね。
本多・青山の刑事コンビは、私は悪くはないと感じました。
あまり個性的すぎると、幸太のアクが弱いので、薄まってしまいますし。
登場人物達のその後は、追記が欲しかったですね。
・・・最後2ページがなければ、もっといい感じに終わったのになぁ。
料理と殺人を絡めると言えば、「料理長殿、ご用心」と言う映画が真っ先に頭に浮かぶのは私だけでしょうか?
(^_^;)
シェフが自分の得意料理と同じ方法で殺されていくストーリーです・・・。
JUGEMテーマ:読書
四〇一二号室/真梨幸子著
- 2013.04.11 Thursday
- 真梨幸子
- 17:16
- comments(0)
- trackbacks(0)
- by mako
タワーマンションの最上階、四〇一二号室が心理的瑕疵物件になった理由。
不動産屋が語る、その理由。
二人の女流小説家の確執と、生き様。そして事件。
彼女たちがどう考え、何を求めていたのか。
四〇一二号室に関係するその物語・・・。
物語は、不動産屋が四〇一二号室を見に来た客への説明から始まります。
そして、光が当たる新人の売れっ子女流小説家の物語へ。
次に、影となる売れない女流小説家の話へ。
売れっ子小説家の事件が中心になっていき、
もう一人の女流小説家、或いは編集者、
売れない漫画家、ライター上がりのノンフィクション作家と、
様々な人々を介し、四〇一二号室が心理的瑕疵物件となった経緯を語っていきます。
心理的瑕疵物件とは、死者が出た、幽霊が出るなどの類の“いわく付き物件“のこと。
包み隠さず話すと言う、不動産屋の言動に、
初めから不信感を植えられていく手法は、悪くないと思います。
何となく、不気味な感じがするんですよね。
感想としては、まあまあ面白かった。
華々しくデビューをし、上り詰めていく新人小説家三芳珠美。
どんどん本は売れていき、順風満帆に見えるかのような彼女の、
真の望みは別の場所に。
それが、実は物語のキーになるのですが、
そうと気付かないように仕掛けていく筆致は見事。
文章も、読みにくくありません。
難を言えば、視点と言うか、一人称の人物が変わっていくため、
これは誰の語りなのか?と思う点が多々あり、
その時点で読む速度が止まってしまうことが残念。
狙ってやっていると思うのですが、
切り替えが分かりにくいため、どうしてもスムーズに読めないんです。
一応・・・区切りはあるのですが、
区切りがあるからと言って、視点の人物が変わるとも限らないので、
余計に判断に困ってしまいました。
彼女の影となり物語を継いで担っていく、もう一人の小説家根岸桜子。
桜子は、いつも珠美に苛ついており、劣等感で内面を炙られ続ける。
物語の登場人物を繋げる人物、雑誌編集者の西岡。
難しくはないけれど、込み入った話が好きな方にお勧めです。
最後一行の「問い」は、個人的には好きだけどね。
最後に。
読み始めたら、本のカバーは見ないこと。
表紙がネタバレになっている(^_^;)
気付いてしまった私は・・・orz
これ、もう少し気遣って欲しかったなぁ。
不動産屋が語る、その理由。
二人の女流小説家の確執と、生き様。そして事件。
彼女たちがどう考え、何を求めていたのか。
四〇一二号室に関係するその物語・・・。
物語は、不動産屋が四〇一二号室を見に来た客への説明から始まります。
そして、光が当たる新人の売れっ子女流小説家の物語へ。
次に、影となる売れない女流小説家の話へ。
売れっ子小説家の事件が中心になっていき、
もう一人の女流小説家、或いは編集者、
売れない漫画家、ライター上がりのノンフィクション作家と、
様々な人々を介し、四〇一二号室が心理的瑕疵物件となった経緯を語っていきます。
心理的瑕疵物件とは、死者が出た、幽霊が出るなどの類の“いわく付き物件“のこと。
包み隠さず話すと言う、不動産屋の言動に、
初めから不信感を植えられていく手法は、悪くないと思います。
何となく、不気味な感じがするんですよね。
感想としては、まあまあ面白かった。
華々しくデビューをし、上り詰めていく新人小説家三芳珠美。
どんどん本は売れていき、順風満帆に見えるかのような彼女の、
真の望みは別の場所に。
それが、実は物語のキーになるのですが、
そうと気付かないように仕掛けていく筆致は見事。
文章も、読みにくくありません。
難を言えば、視点と言うか、一人称の人物が変わっていくため、
これは誰の語りなのか?と思う点が多々あり、
その時点で読む速度が止まってしまうことが残念。
狙ってやっていると思うのですが、
切り替えが分かりにくいため、どうしてもスムーズに読めないんです。
一応・・・区切りはあるのですが、
区切りがあるからと言って、視点の人物が変わるとも限らないので、
余計に判断に困ってしまいました。
彼女の影となり物語を継いで担っていく、もう一人の小説家根岸桜子。
桜子は、いつも珠美に苛ついており、劣等感で内面を炙られ続ける。
物語の登場人物を繋げる人物、雑誌編集者の西岡。
難しくはないけれど、込み入った話が好きな方にお勧めです。
最後一行の「問い」は、個人的には好きだけどね。
最後に。
読み始めたら、本のカバーは見ないこと。
表紙がネタバレになっている(^_^;)
気付いてしまった私は・・・orz
これ、もう少し気遣って欲しかったなぁ。
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